4月某日、平年よりも遅い開花時期を迎えた桜の季節に、一箱の段ボールが届いた。
入学式や入社式など「新生活」が始まるなかで、筆者も新しいことがしたくなったのだ。かれこれ5年以上変化しない生活を送っているくすみきった日常にも、新しい風を入れねばなるまい。


筋肉より舌が喜んでる……!!マッスルデリの「イタリアチキンステーキ」から始まる春
最終更新日:2025年04月08日

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冷凍弁当宅配サービスの「マッスルデリ」。高タンパクで低カロリーなメニューを提供しているのが特徴で、筋トレやダイエットに向いている…らしい。
らしいというのは、元々ダイエット目的で注文したわけではないからだ。自炊をしても却って割高になる厳しい物価高事情の中で、しっかりと栄養が取れて値段もリーズナブルな冷凍宅配弁当サービスにメリットを見出したのである。
「マッスルデリ」は1食1,000円近い価格設定でかつては高額サービスの認識だったが、今ではコンビニで弁当と飲み物を買えば簡単に1,000円近くなってしまう時代。相対的に安くなっているように感じる。

冷凍弁当サービスにも競合がいるなかで、なぜ「マッスルデリ」なのか。この疑問の解答を現時点で出すにはあまりにも語りが長くなりすぎてしまうため、まずは実食レビューからスタートしたいと思う。
記念すべき最初の1食目は「イタリアンチキンステーキセット」だ。

なるほど、いきなりステーキが食べられるとは思わなかった。筆者は必ず事前に原材料をチェックするのだが、若干の人口調味料を加えつつも至って普通のチキンステーキである。鶏肉はブラジル産を使用しているが、代用食材を使用しているわけではなかった。
アレンジといえば、醤油とみりんが含まれていることだろうか。「イタリアン」をうたいながらも日本人の味覚に合った調整をしてくれているのが嬉しい。
「マッスルデリ」を食べる際に一つ驚いたのは、レンジの調理時間が長いこと。筆者の家のレンジは500Wなのだが、7分40秒もかかった。手持無沙汰の間、なんとなくスクワットや腕立て伏せをしてみるが、そんなものは付け焼刃にしかならないだろう。
温め終了の音を聞きレンジのドアを開けると、その瞬間、バターの匂いが漏れ出した。レンジから取り出すと、ソテーの緑とチキンステーキの赤が見栄え的にも食欲をそそられる。
容器の移し替え等の必要はなく、そのまま食べられるため、はしを一膳用意して「いただきます」。

「マッスルデリ」は主菜、副菜、玄米の3品構成。冷凍弁当サービスで米類が付いているのは実は珍しく、白米は自分で用意する場合が多い。これは「マッスルデリ」を選んだ理由の一つだ。
さっそくメインディッシュであるチキンステーキに手を付ける。肉質はかたすぎず、食べた感が出る適度な歯ごたえ。実は筆者、国産にこだわりがある方ではない。むしろたまに食べるステーキはオーストラリア産、オージー・ビーフを好んで食べている。
ブラジル産の鶏肉は臭いという人もいるが、下処理をしっかりしていれば問題はない。その点で評価するならば、このチキンステーキに臭みは感じなかった。ソースの風味が豊かなこともあるかもしれない。
さっぱり感を残しつつ、甘めのトマトソースが華やかな風味を与えてくれている。後からバターの風味も引き立ち、それぞれが重なって減塩にも関わらずしっかりと味を感じる。個人的に「にくい」と感じたのは、刻んだ玉ねぎが少し食感を残して入っていること。これにより、飽きにくさを感じられる。味付けの評価は星4以上を付けてもいいだろう。

副菜のマッシュルームとチンゲン菜のソテーもチェック。これは好みが分かれるところであるが、筆者的にはマッシュルームと合わせるならホウレン草が良かった。チンゲン菜はシャキシャキ食感だが淡白な味のため、煮崩れしない特性を生かした餡かけなどで食べるのが好きだ。
とはいえこのあっさり感はチキンステーキの存在感を邪魔しないための選定なのだろう。しかし、やはり満足できなかった筆者はトマトソースをたっぷりつけて食べた。
キノコは肉の脂との相性がすごくいいのだ。肉の脂が溶け込んだトマトソースと一緒に食べることでその真価を発揮する。十分おかずになる味で、玄米がついつい進んでしまう。

今回は初めての「マッスルデリ」ということで、玄米部分についても触れておきたい。そもそも玄米とは米を精米する前の状態で食べるもので、ぬかや胚芽(芽になる部分)が含まれているためビタミンやミネラルが摂取できる主食である。
食べたときの独特な食感や風味のせいで昔は敬遠されがちだったが、栄養価が高いことや良く噛んで食べる習慣がつくなどのメリットが現在は再評価されている。
特に冷凍との相性は良く、冷凍時に細胞壁が壊れることで炊き立ての玄米よりも柔らかくなる。筆者自身食べていて苦には感じることなく、チキンステーキとの相性も抜群だった。

さて、ここまで話して改めてなぜ「マッスルデリ」を選んだのか。その最大の理由は「栄養バランスを重視した冷凍弁当サービスの中でも味の評価が高い」という部分にある。
過去に宅食グルメ編集部で実食比較を行った記事を作成しているが、その際に編集部内でも「おいしい」の声が多く上がっていた。
筆者は「おいしい」の裏には、必ずそう思わせる工夫があると考えているのだ。そのため「マッスルデリ」の実食レビューを通して「なぜおいしいのか」「おいしい冷凍弁当とは何か?」という命題に立ち向かっていくのである。