「和洋折衷料理」はあまり聞き馴染みがない言葉だが、料理自体は日常でよく口にすることが多いだろう。例えば肉じゃがである。明治34年、赤ワインやデミグラスソースの代わりに醤油と砂糖で作ったビーフシチューが、現在の肉じゃがの祖だったと言われる。
もう少し掘り下げよう。「和風スパゲッティ」というと皆さんはどのメニューを思い浮かべるだろうか? 私的に最も完成系といえるのが、海鮮のうまみとよく合うパスタが生み出した奇跡たらこスパゲッティである。とりあえずパスタを食べようと思うとき、真っ先に頭に浮かんでしまうほどだ。
お腹を空かせてコンビニ探訪をしていたところ、2024年4月より発売していまだに人気を博している「デニーズたらこスパゲッティ」に筆者はとても惹かれた。パスタの定番メニュー×定番のファミリーレストランが生み出すハーモニーはいかほどのものか。しっかりと見極めさせていただこう。


【デニーズ監修】セブンのたらこパスタが和風スパゲッティの基礎を抑えた最強定番メニューだった
最終更新日:2025年03月09日

いつもの裏面チェック。価格は税込み321円で、1食のコスパとしては良好。
たらこスパゲッティには洋食調理の延長線上にたらことバターを入れるタイプと、和風だしを使った和食ベースの2パターンがある。本商品は昆布エキスや白だしを使用しているため、後者のタイプのようだ。
「和風スパゲッティ」を求めていた私には嬉しい知らせである。レンジで温める際は空気穴以上に蓋を開けない方が良いらしいので、ほんのちょっぴりだけ開封。レンジで温めること4分40秒。

盛り付ける前の状態は画像の通り。ソースの偏り対策なのか、上下二つに分かれている。下段には解凍時に溶けたバターのかけらが確認できた。
麺本体にした味が付いている仕様ではなさそうだ。平皿に移し替えて、いただきます。

最初に開けたとき、全体的に色が薄かったので味も薄いのではないかと不安だったが、それはただの杞憂だった。たらこの味が濃いだけ、という訳でもない。
白だしや昆布エキスによる濃いめの甘じょっぱいだしの味に、たらこの味が乗っかっている。素材の味にかまけているのではない、それぞれが責任を持って味の押し上げを図っている。
そして麺のもちっとつるっと感。決して固いということはなく、柔らかさを保ちつつ弾力が感じられる。
麺を飲み込んだ後にはバターのまろやかさが効いてくる。バター以外の乳製品は一切確認できなかったため、このバターの濃厚さが食後のクリーミーさを醸し出しているのだ。恐ろしい包容力といえるだろう。
飲食チェーンは一人の力にしてならず。ホール、キッチン、マネージャーがそれぞれの役割を果たすことで成立しているのだ。たらこスパゲッティもたらこだけの料理にあらず。麺とたらこ、ソースが一体となって初めて「たらこスパゲッティ」は完成するのだ。

散々語っておいて申し訳ないのだが、デニーズのたらこパスタの味が再現できているかについては、私からの判断はできなかった。どうしてもファミリーレストランではハンバーグに目が行ってしまい、パスタを頼むことはおろそかにしてしまいがちだ。
大変に美味であったが、唯一惜しいのがたらこのプチプチ感がそこまで強くなかったことである。冷凍食品という仕様上難しいのはわかるしつぶつぶ感もあるのだが、あと一歩という感じがした。

最後に男メシ流の味変ちょい足しを紹介したい。商品の魅力をそのまま伝えるという本旨からは外れてしまうので、ここでブラウザバックをしても構わない。
味変調味料はいたってシンプルで、マヨネーズと醤油をひとたらし、である。ポップコーンでは定番となる組み合わせ。このアレンジは大学に在学中、たらこスパゲッティを食べる際の「美味しいおまじない」として、まことしやかにささやかれていた。
マヨネーズの酸味に醤油の香ばしさとうま味が追加され、ぐっと味に横幅を持たせられるのだ。その発見に筆者は感動し、たびたび味変としてよく利用している。

総評。味のまとまりが良く、「和」を感じさせる昆布だしベースのたらこソースが魅力的な当たり商品。量は276gと成人男性が食べるにはやや少なめ。
パスタ類が好きでまだ食べたことがない人は、筆者が太鼓判を押すのでぜひ食べてみてほしい。

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