日本を代表する食品メーカー、カルビー株式会社が2023年にスタートした宅配食サービス「OMA MESI(おまめし)」。
カルビーといえばポテトチップスなどのお菓子が有名で、日常の食事を連想する方は少ないのではないでしょうか。
どのような経緯で「OMA MESI」を始めたのか、サービスに込められた想い、商品の魅力についてカルビー株式会社 藤井さん・田口さんにお話しをうかがいました。
カルビーが手がける「OMA MESI」暮らしのお守りとなる“日常の非常食”
最終更新日:2024年03月14日
「OMA MESI」とは
カルビー社員が厳選した商品から、自分にあったメニューを提案・お届けしてくれる宅配食サービス。
主菜、副菜、スープなど多彩なメニューが揃っており、いずれも常温保存可能。
OMA MESI 公式サイト
忙しいときも疲れたときも、これがあれば安心の”お守り”になりたい
カルビーがこのサービスを立ち上げた経緯を教えてください。
藤井さん:カルビーはスナック菓子やシリアルなど間食・朝食の部分を提供してきましたが、今後さらに「食事を通じて、お客様の健康づくりをサポートしたい」との想いから立ち上げた新規事業の1つになります。
企画段階で、食にまつわる悩みを調査したところ、「1人分の食事を用意するのが大変」という声が非常に多くありました。
こうした悩みを解決できるサービスを作ろうと考えた結果、生まれたのが「OMA MESI」です。
「OMA MESI(おまめし)」とは、どういう意味ですか?
藤井さん:「OMA MESI」は、「お守り+飯」の造語なんです。
日常生活の中で「忙しすぎてごはんを作る時間がない」「今日は力が残っていない」と思った日の非常食=お守りのような存在になろうと。
お客様には、忙しいとき、疲れたときにも「OMA MESIがあるから安心できる」と思って欲しいんです。
料理や食事とその日の気分に合ったほどよい距離感で向き合い、日常を過ごし、「食べること」を楽しんでほしいと考えました。
そんな願いを込めて「お守り」と「ごはん(飯)」を組み合わせ「OMA MESI(おまめし)と名付けました。
全ての商品が常温保存可能。スペースや受け取りの悩みを解消
「OMA MESI」ならではのこだわりを教えていただけますか?
藤井さん:「OMA MESI」では、常温保存できるおかずをお届けしています。
実際にインタビューでお客様が困っていることを掘り下げてみると、「冷凍のお弁当は始めにくい、続けにくい」という意見がありました。
冷凍の場合、保存する冷凍庫のスペース確保が難しかったり、置き配ができないので忙しい時に荷物を受け取れなかったりといった、さまざまな事情があったんですね。
そのため、「OMA MESI」では全ての商品を常温保存できるものにこだわっています。
サービス開始後のアンケートでも、サービスを続ける理由として「常温保存ができること」を挙げてくださるお客様が非常に多いです。
メニューをおかずに絞っている理由はありますか?
藤井さん:「白米は自分で用意できるのでわざわざ買わなくていい」というご意見が多かったので、それならば白米はご自分で用意する前提で、その分調理に手間がかかりそうなおかずが入っているほうが、喜んでいただけるだろうと思いました。
集めたお客様の声をもとに、続けやすさと利便性を両立したサービス設計を考えた結果、最終的に「常温保存できるおかず」に至りました。
どのようなシーンで「OMA MESI」を利用されている方が多いですか?
藤井さん:単身の方をはじめ、ご夫婦やご家族の方まで、年齢問わず幅広くご利用いただいています。
「忙しい時に在宅ワークの昼食が手軽に済ませられて良かった」とか、「家族の晩御飯が要らない時に食事を作るのは面倒なので自分の分だけ簡単に用意できる」とか、「お料理を作ったけどあともう1品欲しい時にパッと使える」など、さまざまな使い方をされています。
サービスを立ち上げた当初は20代をターゲットに考えていたのですが、実際には40代50代以降の幅広い年代の方にもご利用いただいています。手軽に、ヘルシーに食事を摂りたいというニーズに、「OMA MESI」が合っていることが分かりました。
提供メニューは全国各地へ足を運んで吟味
「OMA MESI」では、どんな基準で提供メニューを決めているのでしょうか?
藤井さん:メニューに関しては、私たちが日本全国各地へ足を運び、選び抜いたパートナー企業様の商品をお届けしています。
田口さん:「日常の非常食」としていますが、よくあるレトルト食品だと寂しさを感じてしまいます。だからスーパーで手軽に買えるような商品ではなく、お客様が食べることを楽しみにできるような特別感のあるラインナップにしようと商品の選定にはとてもこだわっています。
お客様にお金を支払っていただく以上は、食事をしている間だけでも幸せを感じていただきたいと考えています。
もっと言えば、「今夜はOMA MESIがあるからワクワクする」「早く帰りたい」。そんな気持ちになって欲しいんです。
「仕方なく」ではなく、「これが食べたい!」と思えるようなメニューを揃えていらっしゃるんですね。
田口さん:例えばこちらのお茶漬けは、ファーストクラスの機内食としても提供されています。静岡の企業様なんですが、国産のお魚や風味豊かなお出汁を使用していて、他にはない魅力があります。
素材の選定や加工方法にこだわられている企業様の元へ出向いて集めてきた商品を、試食して意見を出し合いながら、社内の品質保証基準と照らし合わせて絞り込んだのが「OMA MESI」のメニューです。
藤井さん:メーカーさんが集まる展示会はもちろん、片道5時間かけて五島列島まで行ったり、朝4時から漁場を見に行ったり。気になった商品の裏面を見てメーカーさんへ直接問い合わせるなど、足を使って探したパートナーさんがほとんどですね。
パートナー企業様は単なる仕入れ先ではなく、タッグを組んで「OMA MESI」というサービスを一緒に作っています。
田口さん:1品1品にパートナー企業様と、私たちの想いが詰まっています。季節限定メニューをはじめ、今後も定期的に新しいメニューをお届けできるように奮闘しておりますので、楽しみにしていただきたいです。
「OMA MESI」の人気メニュー
どのようなメニューが人気ですか?
藤井さん:現在43種類のメニューがあるなか、安定して人気があるのは煮魚です。
焼き魚は比較的簡単に作れますが、煮魚は調理にどうしても手間がかかるので、注文される方が多いですね。「煮魚があるからOMA MESIを続けています」というお声もいただいています。
一番人気となるとどれですか?
豚の角煮ですね。自宅で作ろうとすると手間がかかりますし、お店で食べたいと思っても意外と食べられるお店が少ないからか、リピート率が高い大人気メニューです。
藤井さん:それから、ハンバーグも人気ですね。お客様の中には、「OMA MESIのハンバーグにパスタを和えたら、子どもがすごく喜んでくれた」という方もいらっしゃいました。
年齢層や性別によって好まれるメニューは違いますか?
藤井さん:そうですね、男性はボリュームのあるお肉系、女性の方は具だくさんのスープが人気です。
お客様からいただく「○○が食べたい」「○○もラインナップに追加してほしい」という声を参考に、エスニックなおかずやカレーなども追加を検討しているところです。
私たちがお客様にお届けしたい商品だけでなく、お客様からのリクエストを参考に商品を選ぶことは常にしています。
メニュー以外に、サービスに対するお客様からの要望はどのようなものが届いていますか?
藤井さん:原材料を全部知りたい、添加物に関する情報を確認したいというお声があったので、「OMA MESI」では栄養成分や原材料などの情報を、サイト上ですべて公開しています。
質や安全性は商品を提供する前に社内で厳しいチェックを通していますが、「知っておきたい」というお客様の気持ちに対し、情報公開するようにしています。
パーソナライズで自分にあったおかずを提案
食事の手間をなくすだけでなく、栄養価も意識したたくさんのメニューが提供されていますよね。どのような組み合わせでお届けしていますか?
藤井さん:2パターンの方法を用意していて、質問に回答しておすすめのメニューを提案する形と、お客様ご自身で好きなメニューを自由に選んでいただく形になります。
前者は「OMA MESI」のトップページから、お客様に食生活と身体に関するアンケートにご回答いただきます。
その人にちゃんと合ったものをお届けしたいので、普段の食生活なども汲み取ったうえで、たんぱく質が足りてない方にはお魚やお肉を、カロリーを控えたい方には低カロリーのメニューなど、日本人の摂取基準にあわせ、適切なメニューを提案するような仕組みを作っています。
藤井さん:ご自分で自由に選ぶこともできるのですが、お魚とお肉をバランスよく選ぶ方、スープを多めに選ぶ方、新しいメニューを中心に選ぶ方など、自由にカスタマイズいただいています。
用途や気分に合わせてメニューを選んでいただけます。
メニューも機能も拡充予定! 「OMA MESI」はもっとワクワクする商品に
最後に今後の展望をお聞かせください。
田口さん:商品担当として、今後もお客様のライフスタイルにあわせて、新しい商品をどんどん見つけ、さらにワクワクするボックスにしていきたいと思っています。
藤井さん:メニューのバリエーションの拡張とパーソナライズの機能を一段上げるための取り組みを進めています。今後はサービスそのものだけでなく、それを続けるために管理栄養士さんのアドバイスが受けられるようにするなど、お客様の健やかなくらしに貢献できる仕組みづくりも注力していきます。
運営しているなかで、日々お客様に教えていただくこと、お客様と話して得られる気づきが多いなと感じています。今後もそうした声に耳を傾けながら、「OMA MESI」が皆様にとっての日常のお守りとなれるよう、サービスを育てていきたいです。